「翔太、翔太!!」 奈緒の狂ったような声が、岩石が落ちる音の合間にきこえてきた。 「翔太が潰されちゃうよ! 早く助けに行かないと――」 目を見開いたまま叫ぶ奈緒の手を、桃香が握りしめ、必死に止めようとしている。 「奈緒ちゃんっ、翔太くんはもう死んじゃったのよ! あっちに行くと、危ないからやめて!」 その言葉に奈緒は、「うああああっ!」と宙を見あげて大声をあげると、桃香の手をふりほどき、走り出した。 そのまま、まっすぐ翔太の元へと走る。