ニンゲン釣りゲーム

容しゃなく照りつけてくる光――あの時のほうがもっと暑かったな、と思う。
飲み水もなく、押し入れに閉じ込められたあの夏のほうがずっと……。

歩は知っている。
極限まで追いつめられた人間には、どんなデタラメを吹きこんでも、信じてしまうことを。

――お前はいらない子だよ。頼むから死んでちょうだい。

あの人に何千回も言われ続けていた歩は、自分がいらない子だとずっと思っていた。

まだまだ、あの地獄の日々には到底及ばない。
さあ……もっと愉快なことが今から起きるぞ。

歩は、ニタリと笑い、糖分を補給するため、アメをひとつほおばった。