ニンゲン釣りゲーム

桃香とふたりきりになった楓は、気まずくてたまらなかった。まるで針のむしろにいるようで、身体中が緊張でチクチクしていく。

「あの、桃香……」

楓は、精一杯の笑みを浮かべ、桃香の肩に手を乗せようとした。

バチィン! と楓の手が叩き落とされる。
桃香が、手のひらをふりおろし、充血した目で、楓をにらんでくる。

「裏切り者――」

桃香はそれだけ言うと、くるりと背を向けて、歩き出した。

楓はヒリヒリとする手の甲をおさえ、呆然と突っ立っていることしかできなかった。