ニンゲン釣りゲーム

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和也は、手のひらで汗をぬぐう康晴を、遠目から、そっとにらんでいた。

――糸がおりてきても見送れだなんて……。
相変わらず自分の考えを押しつけてきている。こんな状況だというのに、と心の中で舌打ちをした。

和也にしてみれば、康晴の言っていることは、自分は特別だと得意げな顔をしていた友太と変わらないくらい身勝手なものだった。
しかし、友太と違い、康晴は日頃から人望があるので、みんな素直に従っていた。