ニンゲン釣りゲーム

楓は手をあげられなかった。
もし、じゃんけんで代表者を決めて、争いの火種にならないだろうか、と思ったからだ。

それに、ひとり助かれば、助けを呼んでもらえる、と康晴は言い切っていたが、本当にそうだろうか?
こんな大掛かりなことをしているのに、今だ主催者は姿を見せず、明確なルール説明もない。

糸につかまったひとりだけが助かり、あとは見捨てられるのでは、という疑念が頭から離れない。

だからと言って、他にいい案があるわけではなく、楓は苦悩していた。

「えーっと賛成は、1、2……」

康晴が数えていると、突然、鐘の音が鳴り響いた。