ニンゲン釣りゲーム

楓の耳は音がこもったように聞こえていた。戻るまで少し時間がかかりそうだ。

「ああ!」と、突然、昴がおどろいたような声をあげ、なにかを指さす。

有川を押しつぶした岩石のすぐそばに、キラキラと輝くなにかが見え、楓が凝視した。

――それは糸だった。

半透明で、まるでクモの糸のようだ。
さらによく目を凝らして見てみると、糸は2本あった。
どうやら、遥か上から垂れているようだ。

「これ、なに?」と糸の近くにいた桜子たちが、おそるおそる見ている。