ニンゲン釣りゲーム

「それは、まだわからない……。それと、水飲み場らしき物があったけど、腐っていて、とても飲めそうになかった」

歩は視線を落とした。

重苦しい沈黙が訪れる。出口を期待して待っていたのに、とんでもない事実をつきつけられ、みんなひどく落ち込んでいた。

歩は、赤いワンピースを地面に置くと、ほったらかしにされていたバスの運転手の遺体のそばに立った。
そっと手を合わせ、ワラをかけてやっている。埋葬の代わりのようだ。
せっせとワラをかけながら、歩がつぶやくように言った。

「もうひとつわかっていることは、有川先生のように大声をあげていると、岩石が落ちてくるみたいだ。だから、極力静かにしていよう」