ニンゲン釣りゲーム

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クラスの集団から、離れた場所で和也は頭を抱えていた。

――なんでこんなことになってしまったんだ。
暑い……のどがかわいたよぉ……。

湿った頭皮に爪をたてながら、小さくうめく。

――やっぱり、修学旅行なんて休んでおけばよかったんだ。イヤな予感がしていたんだ……。来るんじゃなかった、来るんじゃなかった、来るんじゃなかった……!

そんな考えが、頭をぐるぐる回っていると、「和也」と頭上から声がした。

「大丈夫か?」と康晴が顔をのぞきこんでくる。

康晴のだらりと垂れた拳から血がにじんでおり、見るからに痛々しい。