ニンゲン釣りゲーム

横を見ると、大和が補助席を倒して、座ろうとしているではないか。

「ちょっと、なんでここに来るのよ?」と楓は桃香を起こさないよう小声できく。

「だってよ、柳川がバスに酔って気分が悪いって言うから、寝かしてやろうと思って」

大和が指さした座席には、青白い顔をして、ふたつ分の座席を使い、胎児のように丸まっている和也がいた。

……へえ、意外といいところあるじゃん。
楓は少し大和を見直した。