しかし、歩は知っている。
この世で一番辛いこと、それは空腹だ。
身体に力が入らず、思考能力も低下して、ただ死を待つだけの存在となってしまうあの時の恐怖は、今も骨身に染みついている。
まるで死神が残していったように、べったりと……。
だから、どこかに遠出するときは、必ず非常食になりそうなアメなどを、持っていくことにしていた。
歩は長袖のシャツを脱いだ。
――おびただしい数の傷あとが、両腕にびっしりとついている。
いや……と歩は思う。
この世で一番辛いこと。それは最愛の人から、愛されないことかもしれない。
微笑を浮かべる歩を、月光が妖しく照らしていた。
この世で一番辛いこと、それは空腹だ。
身体に力が入らず、思考能力も低下して、ただ死を待つだけの存在となってしまうあの時の恐怖は、今も骨身に染みついている。
まるで死神が残していったように、べったりと……。
だから、どこかに遠出するときは、必ず非常食になりそうなアメなどを、持っていくことにしていた。
歩は長袖のシャツを脱いだ。
――おびただしい数の傷あとが、両腕にびっしりとついている。
いや……と歩は思う。
この世で一番辛いこと。それは最愛の人から、愛されないことかもしれない。
微笑を浮かべる歩を、月光が妖しく照らしていた。

