ニンゲン釣りゲーム

いつも沈黙を恐れるように楓は、話し続ける。
さらに楓は、クラスメイトの頼みごとをイヤな顔ひとつせずに、引き受けていた。

その姿を見て、歩は確信した。

おそらく、楓もあまり家庭環境が良くないのだろうと。
親に愛されていない孤独な者にしか、あの悲しい目はできない。
鏡にうつる歩も同じ目をしているので、すぐにわかった。

さらに居場所がないため、なんでも頼まれごとを引き受けて、自分の存在価値を確認しているのだろうと歩は考えた。