ニンゲン釣りゲーム

自責の念にかられた祖母は、年老いた体にムチを打ちいくつも仕事をかけもちして、歩を懸命に育てていた。それが祖母なりの償いだったのだろう。

祖母は、かけもちの仕事のひとつである新聞配達をしていたとき、わき見運転をしていた車とぶつかり、意識不明となった。

不幸中の幸いというべきか、車の運転手からはかなりの額の慰謝料がもらえ、歩はひとりで生活することができた。

祖母の見舞いには週に1回ほど行っている。
たくさんの機械につながれ、人形のように寝ている祖母が起きることは一生ないだろう。
思えば、祖母も運のない人生だった。
アレに振り回され、歩を押しつけられて、最後はこんな姿になってしまうなんて……。