忙しければ、崩壊寸前の家族のことも考えなくてすむ。 だが、もう実行委員の仕事は終わってしまった。 修学旅行が終わったら、なにをすればいいんだろう、と楓は思う。 その時、リビングから、怒鳴り声とともに、皿かなにかが割れる派手な音がきこえてきた。 ……修学旅行の間は、この家から離れられる。 それだけが、楓の救いだった。 父の浮気が、発覚してから母は料理をしなくなった。 コンビニ弁当やレトルト食品など、ひとりで食べる毎日が続いている。