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春樹は自分にもたれかかる桃菜を受け止めると同時に、つい先程まで自分の体に起こっていたことを自覚し始めていた。
抑えていたものが爆発した……というところまでは覚えていた。
一人称が変わったところからは曖昧で、ただわかるのは、桃菜が止めてくれたことだけ。
お礼を言わなければいけないのに、桃菜は気を失ってしまっている。
なにかできることはないか……と、春樹はマイページを開いた。
すると、【通話】というボタンがあり、それをタップすると、麻耶と閖へと繋ぐ回線が映し出された。
ピピッという音とともに、ビデオ通話の画面が映し出され、2人の声が聞こえた。
『先輩!調子はどうですか?』
悟られないよう、必死で取り繕う。
ふとみた画面に、春樹は異変があることに気づいた。
【新アイテム︰ピース 船】
と表示されていた。
ポケットをまさぐると、木の板が入っており、暗くてよく見えないがこれのことだろくと春樹は推測した。