とうとう、春樹の緊張の糸がブチ切れた。
「お前いい加減しろって!
目の前にいるだろ!?白いワンピースを来た女が…………っ!」
春樹の首に2本の白く細い手がピタリとはりつく。
そして、力を入れたかと思えば、そのまま春樹の首を締めあげたのだ。
春樹は呼吸ができずに、ただ歯を食いしばることしかできない。
唯一の救いである桃菜だが、桃菜には何故かこの女が見えていない。
「は、春樹!?え、ちょ、どうしたの?…………ってなんで首に青いアザみたいなのがあるの?」
どうやらようやく自分の状況を少しは理解してくれたらしい。
だが、このままでは危ない。一刻もはやくこの状況を打開する策を考えなければ。
一方桃菜は、春樹が置かれている状況を必死で理解しようとしている……はずなのだが。
(ん〜なんかあると思うけど………ま〜いっか!)
とてつもなくゆるかった。
残念だが桃菜に春樹ほどの頭脳はない。
春樹は学年でトップを争うほどだが、桃菜はまさにその逆で、ビリから数えられるほどだ。
その2人の考えが噛み合わないのは、仕方がないのかもしれない。



