パズル~その本を読んではいけない~



麻耶……………ごめん。


こんなに思い詰めるまで、あたしが気づいてあげられなくて。


あたしは麻耶のことすごく大切に思ってるよ?


麻耶に言った言葉に嘘なんて1つもないよ?


どこから……………誤解が生まれてしまったんだろう。


たしかにあたしは、麻耶にいつしかそう言ったんだ。


麻耶が部活内でいじめられたとき、あたしは助けてあげることができなかった。


首謀者の子に反抗するのが怖くて、ただひたすら帰り道で麻耶を慰めることしかできなかった。


だからあたしは……………麻耶に恨まれても仕方ないのかもしれない。


いじめがなくなったあとも、特にこれといって何もなく、平穏な日々を過ごしていた…………と思ったのに。


麻耶はまだ…………【心の闇】を消せていなかったんだ。


勝手に自己完結して。

勝手に麻耶はこういう子だと決めつけて。


あたし……………最低だ。


麻耶の心に気づいてあげられなくて、

どんなに自分は平気でも、麻耶は違うんだって、そういう考えには至らなくて。


きっと麻耶は……………我慢をしていたんだと思う。


あたしの顔色を伺って、

あたしに本音を言えなくて、

あたしのことを、恨んで……………。


ごめん。ごめん。麻耶。


何もできなくて。助けられなくて。


いつも笑顔でいてくれた麻耶の心の内を、

考えてあげられなくて。