「─────なんだ?」


翌日。研究室に行くと、何故だか騒がしかった。


話を聞いてみると、川崎がある研究論文を発表したらしい。


船田はまさか、と思った。


そう確信したときには川崎が発表した論文のデータを自分のパソコンに移していた。


データを開くと、そこには。


「……………クソっ」


昨夜自分が徹夜をしてまで完成させた論文が映し出されていた。


「あれ、どうしたのかな、船田くん。随分気がたってるみたいだけど。」


「川崎…………!お前!」


船田は川崎の胸倉を掴む。


「君はいつでも気性が荒いね。ま、そんなんだから僕に論文を盗まれるんだよ。もっと複雑なパスワードをかけて管理しておくべきだったね。」