はぁ〜……
怖かったよぉぉ!
いつにもまして麻耶が怖かったよ!
いや、違う、いつもはもう少しましなんだよ、うんうん。
一度怒ると止まらないからな、麻耶は。
あ、ちなみにさっき麻耶はキレてないぞ。
あれは麻耶の中では【不機嫌】に入るらしい。
麻耶が本気でキレたら多分全員地獄に落ちるほどの恐怖に見舞われるであろう、絶対に。
それほど麻耶は大人しそうにみえて実はすごく怖いのだ。
あたしは長いこと麻耶と一緒にいるから、慣れたっちゃ慣れたけど。
言っちゃうと、麻耶はあたし以外にはキレない、というか、あたし以外の人にはあんまり怒らないのか?
…………うん、謎だ。
まぁ、そんなことは今はどうでもいいか。
それよりもピースを探さないとな。
「……………ねぇ、閖。」
「…………ん?」
沈黙の中話しかけられたら誰だってビビる。
あたしは多少詰まりつつも返事を返した。
「私って………いてもいいのかな………」
「当たり前だろ、なんだよ、いきなり。」
「ううん。でも、こんな状況でも思っちゃうんだ………だって、閖に八つ当たりすることしかできなくて、でも、なんの役にも立てなくて………私、ここにいる意味あるのかなって、思っ、ちゃって、」
「麻耶…………」
麻耶は一度思いつめると長いのだが、まさかここに来てまでそれを発揮するとは思わなかった。
いつもこんな感じだ。麻耶が怒って、その後シュンと落ち込んで。そしてさっきみたいに「私ってここにいる意味あるのかなぁ?」と聞く。
…………もう、慣れたことだ。



