中央にあるこの机は、見た目は普通のデスクのように見える。
でも、何かが違っていた。
あたしがその机に近づくと、バチっと音がなり、電気が発生するのだ。
つまり、近づくことはできない。
「こーなったら……………!」
麻耶は杖を構え、ブンッと一振りした。
─────ピカッ
杖は3本の光線を放ち、机に向かって飛んでいった。
これで大丈夫だろう、とあたしは思った。
でも、実際はそんなに簡単なことじゃなかった。
「なっ……………!」
光線は何故か跳ね返され、あたし達がいる方向にピンポイントで飛んできた。
なんでわざわざこっちの方向飛んでくんだよ!
「きやぁぁ――――!」
麻耶が悲鳴をあげると同時に、あたし達から約5mぐらい離れたところにある物体が出現した。
「ス○イム……………?」
それは、あの有名なゲーム、『ド○クエ』に出てくるあの可愛い敵モンスター、ス○イムにそっくりだった。
『敵が出現しました。持っている武器を使って、応戦してください。なお、HPは一回の攻撃で20減ります。』
……………20って多くね?
だってあと90しかないのに。
これじゃ4回しかミスできないし…あ、いや、ミスしなきないいだけの話なんだけどさ、あはは。
あたしは短剣を構え、麻耶はびくびくしながらも杖を握り締めた。
────さぁ、戦闘の始まりだ。
麻耶はさっきの衝撃で尻餅をついているため、戦うのはあたしだけだ。
いやでもス○イムっしょ?
……………………余裕だね。
とか言ってるあたしはもしかしたら馬鹿だったのかもしれない。