パズル~その本を読んではいけない~



「ところで、これからどうする?」


「んー…………ピース探しの続きしようか。まだまだピースはあるし、それに、他に"ここ"にいる人達もいるかもしれないから、それも兼ねて。」


他にここにいる人達……………それはつまり、他にあの本を読んで感染した人達のことだ。


いてほしくないけど……………もしかしたら、いるかもしれない。


それが健くんだったらどうしよう………。


あたしはそれが一番怖かったりする。


だって、好きな人がこんなゲームするところなんて見たくないし。


「じゃぁこの部屋から調べようよ。麻耶は奥をお願い。あたしは手前調べるから。終わったら声かけてくれる?」


「わかった。じゃぁあとでね。」


「うん。」


あたしは手前を調べるため体を反転させてその方向を向いた。


……………にしてもこの部屋無駄に広いんだけど。


棚やら引き出しやらはこれでもかというくらいにあって、これを全部調べると思うと骨が折れそうになった。


でも調べなきゃ先進まないし……………。


あたしは仕方なくピース探しに移った。


棚のガラス戸を開けると、そこは薬品が綺麗に並べられていた、気持ち悪いくらいに。


一つ一つ中から出して奥を除く。


すると、あるボタンを見つけた。


バラエティのクイズ番組でよく使われている、丸いボタン。


あたしはそれを取り出して、押してみた。








───────パッ








辺りが突然明るくなったようで、上を見上げると、証明がついていた。


あのボタンは電気をつけるためのものだったらしい。


「閖ー!なにか見つけたの?電気ついたけどー!」


麻耶が大きな声であたしに向かって言った。


「なんかボタンみたいなの見つけて押したら電気点いたみたいー!このまま探そう!」


麻耶は「わかった!」と言ってきたため、あたしは捜索を続行した。