……………って!そんなこと考えてる場合じゃないっての!
あたしはその杖を取ろうと手を伸ばした。
すると、杖のほうからあたしの方へ飛んできた。
飛んできたという表現が正しいのかどうかはわからないけど、非現実的すぎて表現のしようがない。
───────パァッ
杖は再び光を灯し、杖から何十本もの光線が放たれ、健くんそっくりな敵につき刺さった。
敵はその場に倒れ、砂のようにサラサラと消えた。
それは、あたしがあの映像で見た麻耶のようにも見えた。
さて……………これからどうしよう?
この杖は……………武器になるようだし、一応持っていよう。
*
あたしはその部屋を出て、麻耶を探すことにした。
研究所のつくりといっても、ほとんど知識がないため、薮から棒に進んでいくしかないのだ。
しばらく壁伝いに歩いていると、広い空間にたどり着いた。
その空間はどうやら会議室のようで、とても大きなモニターがあり、イスも数え切れないほどあった。
そして、倒れているある物体が私の目に止まった。
近づいてみると、それは人間。
杖が光ったのでそれをかざしてみると、その人間は麻耶だった。
どうして……………麻耶がここに。
突然消えて、ここで倒れていた麻耶。
脈を確認すると、ちゃんとある、生きている。
ただひとつ違うのは……………麻耶の手にはあるものが握られていたこと。
その物は……………手榴弾。



