パズル~その本を読んではいけない~




……………って!そんなこと考えてる場合じゃないっての!


あたしはその杖を取ろうと手を伸ばした。


すると、杖のほうからあたしの方へ飛んできた。


飛んできたという表現が正しいのかどうかはわからないけど、非現実的すぎて表現のしようがない。






───────パァッ






杖は再び光を灯し、杖から何十本もの光線が放たれ、健くんそっくりな敵につき刺さった。


敵はその場に倒れ、砂のようにサラサラと消えた。


それは、あたしがあの映像で見た麻耶のようにも見えた。


さて……………これからどうしよう?


この杖は……………武器になるようだし、一応持っていよう。













あたしはその部屋を出て、麻耶を探すことにした。


研究所のつくりといっても、ほとんど知識がないため、薮から棒に進んでいくしかないのだ。


しばらく壁伝いに歩いていると、広い空間にたどり着いた。


その空間はどうやら会議室のようで、とても大きなモニターがあり、イスも数え切れないほどあった。


そして、倒れているある物体が私の目に止まった。


近づいてみると、それは人間。


杖が光ったのでそれをかざしてみると、その人間は麻耶だった。


どうして……………麻耶がここに。


突然消えて、ここで倒れていた麻耶。


脈を確認すると、ちゃんとある、生きている。


ただひとつ違うのは……………麻耶の手にはあるものが握られていたこと。


その物は……………手榴弾。