パズル~その本を読んではいけない~



どうして健くんの姿をしてるの!?


嫌味!?ねぇ!


あたし絶対攻撃できないじゃない!


あたしは半ばヤケになって近くにあった小さな引き出しを音を立てないように開ける。


その中にあったのは、無数の薬品。


それと……………


【北】


と掘られた正方形の木の板があった。


これは……………何かのキーワード?


もしかして、これがパズルのピースなの?


あたしは麻耶に伝えようとしたけど、それはできなかった。


だって、麻耶はもうそこにはいなかったから。


あたしはたしかに麻耶の肩を叩いたはずだった。


でも、そこに麻耶の姿はなかった。


どうして……………?


そのとき、【北】と掘られた木の板が小さな光を灯し、あたしの手に丸い玉が置かれた。


それと同時に、敵は何かを感じ取ったらしく、あたしがいる方向に向かって歩いてきた。





……………やばいっ、!





あたしは咄嗟に手に乗っている光る玉を敵に向かって投げた。






──────パシュッ!





光の玉は不思議な音を放ち、その直後にはまるでアニメに出てくるような魔女の杖になっていた。


杖には三日月がモチーフの飾りがついていて、どちらかというと麻耶好みのものかもしれない。