パズル~その本を読んではいけない~



なんで、麻耶は『1年たったら体は腐敗する』なんてことを言ったのか。


あたしが見たかぎり、麻耶はゲームの最中にはかなり取り乱していたはず。


そんな中で、冷静に物事を考えることなんて、できたいたのだろうか。


あたしも、あの状況だったら少なからず慌てるだろうし…………。


なんにせよ、まだわからないことだらけだ。


今のあたしは病人。


おとなしくしてないと看護婦さんに叱られちゃうし、まぁ、〇時になったら全部わかるよな。






















「閖……………そろそろだよ。」


「わかってる……………」


午後11時55分。


〇時まであと残りわずか。





──────チッ……………チッ……………





時計の音が病室の壁に反響する。


命が刻一刻と削られていくようで、居心地が悪い。





──────チッ……………





そして、何度目かの時計の音が鳴ったときに、景色は一気に変わった。


冷たい風が頬にあたる。


冷やりとした空気が辺りを包んでいた。


「閖……………行こう……………」


「行くって…………どこに行くつもり?」


この空間で、一体何をするというのか。


「この空間は、ある研究所のつくりになってるみたい。私はいつも敵に会った瞬間に取り乱しちゃって、何一つできなかったけど、今は閖がいるから大丈夫。それで、私達はあるパズルの"ピース"を集めなきゃいけないの。パズルっていうのはあの本にあったクロスワードパズルのことで………」