パズル~その本を読んではいけない~



2人の声は聞こえるけど、体は重くて動かない。


そして、困難になっていく呼吸。


ヒューヒューと喉をおさえるあたしの姿はまるで倒れる寸前の麻耶みたい。


麻耶も……………同じ感じだったのかな。


そんなことを考えていたら、あたしの意識はいつのまにか途切れた。


















目が覚めると、そこは見知らぬ空間だった。


あたしは何故か熱が下がっていて、もうすっかり元気な感じだった。


「なんだよここ……………」


周りを見渡しても、そこは暗闇。


かろうじて分かるのは、すぐ後ろに壁があるということだけ。


そして……………そこかしこから聞こえる悲鳴。


いったいここはどこなのだろうか。


倒れたと思ったら謎の空間で目を覚ます。


「誰か!助けてぇぇぇぇぇぇ!」


─────この声は、麻耶!


「麻耶!?どこにいるの!?」


あたしは気づいたら駆け出していた。


声を頼りに、足を進めていく。