パズル~その本を読んではいけない~



朝。


いつも通りうるさく鳴り響く目覚まし時計を止め、いつものように学校に行く準備をする。


朝食にはトーストを食べて、家を出た。


学校に着くと、いつも通り席につく。


普段と違うのは、すぐ傍に麻耶がいないということ。


朝会ったらすぐに「おはよう!」と言って駆け寄ってくる麻耶はいない。


「閖おはよう!」


声がしたほうを見ると、そこには葵と架純がいた。


「葵、架純、おはよう!」


二人とも笑顔で手を振っている。


「麻耶……………大丈夫なの?」


「いきなり倒れるもんね……………正直ヒヤヒヤしたよ。」


「麻耶は頑張りすぎなんだって、少しは休まないとだめなんだよ」


麻耶はいつも頑張りすぎてる。


『迷惑かけないようにしたいからさ!』


馬鹿。逆に迷惑かけてるからね。


麻耶の2番目の口癖。


「大丈夫なの?」って聞く度にこう言うもんだから、もう困った困った。


あたしはどうして麻耶が倒れたのかはわからない。


けど、少なくともあたしは麻耶に無理をさせてた。


これだけはわかる。