パズル~その本を読んではいけない~




はっと目が覚めると、そこはいつもと同じ光景だった。


時計を見ると、7時ちょうど。


いつもより少しはやいくらいの時間帯だ。


「なに……………今の声……………」


やっぱりあの本を開いてからおかしい。


思い込みかもしれないけど、あのパズルは普通のパズルとは違う気がする。


悪寒もしてくるし、それに妙に体調がおかしい。


普段あたしは滅多に風邪をひかないし、仮にかかったとしてもすぐ治ってしまう。


そんなあたしが体調が悪い、なんて、あきらかにおかしいのだ。


「……………仕方ない。ちょっと麻耶に聞いてみるか。」


こうなったら、麻耶に聞くしかない。


麻耶はあの本を読んで体調に変化はあった?


あのパズルの内容、不気味じゃなかった?


これだけ、だけど。


普通はこんなこと質問しない。


そのとき、あたしの脳裏に、ある言葉が浮かんだ。


『────ある本にかかった呪いって知ってる?』


呪い。


まさか……………そんな。


あの本が、その『呪い』のかかった本だっていうの?


だとしたら、どうしてあたしはまだこんなに元気なわけ?