「おい、北極海へ行くことになったって本当か?」
1人パソコンに向かっていた男に問いかける同僚。
男は振り向くとやれやれといったように吐き捨てる。
「ああ。もうこりごりだね。北極海についての研究なんて、しても意味ないっていうのにさ。」
男はまだ20代の若き科学者、川崎拓哉。
「俺なんて選ばれたことすらないんだぞ。行けるだけすごいだろ。」
川崎は大学生の頃にノーベル賞を受賞。
その後は科学者として、北極海や、地球上の生態についての研究を進めていた。
「そんないいもんじゃないよ。生態を調べるために血腥になって探すんだ。僕は嫌いだね。」
「そんなこといったって、俺達は科学者だろ。研究しなくてどうするんだよ。」