パズル~その本を読んではいけない~














「──────は?」


ベッドの上にある物体に、あたしは思わず目を点にしてしまう。


だって、"それ"はここにはないはずだから。


「どうして…………ここに?」


そこには、つい先程麻耶が手にしていた、『パズル』という本があったのだ。


お母さんが買ってきたのか………いや、それはない、絶対に。


あの人は本が大の苦手だから。


ジュニア文庫ですらギブアップだからね。


本当、あたしとは正反対の人だゎ。


あたしはその本を手に取る。


ページをめくると、先程と同様にクロスワードパズルのようなものがある。


せっかくだからやってみるのもわるくないかもしれない。


「あ、でも……………」


勉強もしないといけないから、これをやる時間があるかなぁ……………?


まぁ、時間があればやろう。


なければやらなきゃいいんだし、まぁ、麻耶もこれ持ってるもんね。