パズル~その本を読んではいけない~



何かを必死で我慢しているかのような、押さえ込んでいるかのような。


喉をヒューヒューと微かに鳴らしていて、呼吸はとても苦しそうだった。


顔も青白く、それはまるで生きているのが不思議なくらいだった。


「ねぇ…………麻耶?」


再び声をかけると、麻耶ははっとしたかのようにこちらを向く。


「あ、ご、ごめんね!私ぼーっとしちゃってさ!」


明らかに慌てている。


一体麻耶はどうしたんだろう……………?


「そろそろ帰らない?暗くなってきたからさ。」


「そ、そうだね!ごめんね、こんなに付き合わせて!」


「べつにいいよ。それより、ほかになにかわかったの?」


あんなに調べたんだから、少しくらいは……………。


「それが……………全部始めに読んだ本と似たようなことしか書いてなくて……。呪いについても嘘百発みたいなことばかりで……………正直あんまり調べられなかったなぁ…………」


「そっか……………」


「まぁ、べつにいいんだけどさ!それより、私は今日買った新しい本を読むんだ!これすごく面白そうなんだ!」


麻耶はあたしに本を渡してきた。


その本の題名は…………『パズル』。


ペラペラとめくってみると、それはそれは小さな文字がびっしり敷詰まっていて、本が苦手な人はすぐギブアップしそうなほどだった。


それと、一番始めのページにはクロスワードパズルのようなものがあった。