俺はもともと女の子が苦手だった。


顔だけで近づいてくるやつが多い。


俺の中身を見てくれないから。



大人も嫌いだ。


可愛いからってちやほやしてくるから。





なんでだよ。


なんで誰も俺を見てくれないんだよ。




小さいながらにも、


そんな悩みを抱えていたんだ。






そんな俺が


ひなたの表情にドキッとした感覚を見つけたんだ。



優しい顔。


この人なら、ちゃんと俺をわかってくれるんじゃないかって。


直感でしかないけど、そう感じた。





「ねぇ、しゅうへいくん」



ぱっと明るい表情に戻ったひなたは、


俺の顔を除きこんでこう言った。




「私と、ともだちになろうよ!!」





歯を見せて笑ったその無邪気さは


本当に今と変わらない。




この人なら…


ひなたなら。





そう思って、俺は差し出された手を受け取った。





「ともだち。

 なってもいいけど。」