「別に、変態なんかじゃないよ」



修平は至って冷静だった。



私をこんなに動揺させておいて、
そんなのはイラついた。





「…ッバカ。
 もう、意味わかんないし。」





ふいっと目線を修平から外すと、

それをふせぐように修平が私の身体を引いた。




「っちょっと!!なにして……」


「なに?口がよかったの??」



修平が、耳元でそう言った。




…修平は、本当に意地が悪い。


そんな甘い声、みんな惚れちゃうよ。




経験値の低い私なんかは、
すでに心臓がバクバクうるさいくらいで。





「そんなんじゃないし!!」



近くにいる修平の身体をドンッと突き放し、

後ろを向いた。





…さっき、キスされたところも

耳元で聞いた声も

どうにも感覚が残ってしまって。






…学校まで、用心していかなきゃ。