ピンポーン
調度仕度がすべて整った頃、
インターフォンの鳴る音が聞こえた。
「ひなた
修平君きたよ。」
「今出る。」
私は荷物をグッと掴み、
玄関まで駆けていく。
ガチャン
ドアを開けると、そこには修平が立っていた。
「おはよ」
修平は、そう微笑んで言う。
いつもどおりすぎる修平に、
もしかしたら昨日のことは夢だったのではないかと思い始める。
「ひなた」
声をかけられてそちらへ顔を向けると
チュッ
私の頬に、唇の当たる感触があった。
一瞬、なにが起こったか理解できずにボーッとして、
それを理解すると私は修平を睨み付けてこういった。
「へ、変態!!?」
しかし、あくまでも修平はいたって普通の様子だった。
「なに驚いてんだよ」
そう言った修平を思わずぽけっと見つめる。
…なんでもなにもないじゃない。
驚かない人なんて、よっぽどじゃない限りはいないはずでしょ??
…そう不機嫌そうな顔を向けられてもね
恋愛初心者の私としては、
ほっぺへのチューですらがドキドキの対象になるのだ。
…いや、みんなそうなのか??