次の日の朝。
私は浮かない気分で家を出た。
「ひなたにしては元気なさそーじゃん。」
修平にもこうやって言われるし。
「だってさ、
またあのめんどくさいの繰り返すんだよ?
いやになるわ!!」
本当は、
私は修平が好きだから、
あの名前も知らないこの気持ちには応えられないってだけなんだけど。
修平にはまだ何も言ってないから。
こうやっていい感じにごまかしている。
「ひなた」
「なにー?」
「好きだよー」
「うんー。
……っていきなり何言ってんの??」
前にもこんなことあったような気がするけどなぁ…
「お前が俺の気持ち忘れないように。」
もういいよ。
分かったよ。
覚えてるって、ちゃんと。
「あれ?
ひなたってば、顔赤いよ?」
修平は、この反応を予想していたかのように
私の顔をのぞいて言った。
「しゅ、修平のせいでしょ!!?」
「ナンノコトダカサッパリ」
こうやってふざけてるけど、私知ってるんだよ。
これだって、私を安心させるためのことだって。
修平の考えてることなんて、お見通し!!
…でもないけど。
最近やっと、少しずつ分かるようになってきた気がする。

