すると、こちらの様子に気づいた八田に声をかけられる。
「ほら、二人で話してこいよ」
浅井はそう言った八田を軽く殴ってからこちらに向かってくる。
…それ、いるのか??
八田も苦笑いをしている。
「じゃあ、俺ら帰るから。」
えっ!?
そう思いひなたのほうを見ると、二人はすでに教室をでていた。
どうする?と浅井の顔を覗いてみると、
「俺らも帰ろ」
と言われる。
校門を出ると、私の手に何かが当たる感触があった。
それを見ると
「…手、寒そうだから」
照れたようにそう言う、浅井がいた。
…ただ、手繋ぎたいだけなら、そう言ってくれればいいのに。
…可愛いやつ。
私はその手をぎゅっと握り返す。
そしたら、君が笑ってくれるから。
私たちの心が、離れないように、ぎゅっと…