驚いて顔をあげるけど、
浅井の表情は分からない。
少し離れて確認しようとしたとき
「ねぇ、それ、本当?」
抱き締められたままの体勢で、浅井にそう言われる。
頷くと、抱き締める腕の力は徐々に弱まっていって。
お互いの身体が離れたとき、
浅井は私の目を見つめてこう言った。
「俺も、好きだよ。」
…なにそれ。
顔真っ赤だし、照れてるのバレバレ。
全然かっこよくなんてないよ。
でも…
どうしてこんなに、心臓はドクドクと音をたてているんだろう。
…どうして、溢れ出した涙が止まらないんだろう。
「俺も、ずっと好きだった。
初めてあった時から。」
ねぇ、これは夢なのかな。
浅井と私が、同じ気持ちだったなんて。
「…俺と、付き合って。」
照れたように笑う浅井が、堪らなく好き。
きっと、これからも変わらない。
私は、浅井の手をとって言う。
「…付き合ってやらないことも、ないけど。」

