「私ね、天の邪鬼なんだ!!
だから…今からいう言葉、全部逆。」
へらっと笑って見せるけど、
それでも浅井はよくわからないといった表情をしている。
大丈夫。
今から全部、わかるはずだから。
震えなんて止まんなくて、
声だって、喉がカラカラに乾いてる。
天の邪鬼でも、それなりに、
頑張ってるんだよ…。
「私ね、浅井のこと大っ嫌い」
浅井は驚いた表情だ。
私はそのまま続ける。
「背が高いのとか、優しいとこ
全然かっこいいとか思わないし…
…初めて会ったときから、ずっと大っ嫌いだったよ。」
言い終わって、パッと下を向く。
浅井は黙ったままだし、
うつむいている私には顔が見えない。
でも、浅井が近づいてきてるのは、分かるよ。
一番近くにきて、浅井はそこで止まった。
そして。
ぎゅっと、抱き締められた。

