そこには浅井が一人、
八田が来るのを待っていた。
ドアの開く音に反応して、
窓の外を眺めていた浅井がこちらを向く。
「どしたの?忘れもん??」
にかっと笑ってこちらを見つめる瞳に、
ドキドキはさらに激しくなっていく。
黙ったままでいると、浅井がこちらに近づいてくる。
「…あのさ!!」
私は勇気を振り絞り、声を出した。
突然の大きな声に、浅井も驚いている。
…やっぱり、私が素直になるなんて、
無理なんだよ。
きっと今だって、
どうしようもなく顔が赤いはず。
ねぇ、こんな私でごめんね…?
心の中でそう呟き、すぅっと息を吸った。
そして。

