「…ということで、冬休みも楽しんで下さい。
でも、宿題はきちんとやってくるように!!」
ホームルームが始まり、先生の話も終わったところ。
一秒進むごとに、私の緊張感が高まっていく。
「起立!!」
2学期最後になるこの挨拶も、
ボーッとしていた私は立ち上がるのが若干遅れた。
「礼」
先生に向かって礼をしながら、
チラリと浅井の方を見る。
誰よりもはやく頭を上げて、
友達と会話を始めた。
…浅井らしいよな。
そんななか、こんな会話が聞こえてきた。
「なぁ、潤。
今日クリスマスだし、帰りどっか寄っていかね??」
どきりとする。
帰りは、約束があるはず。
でも…それを断って、遊びを優先しちゃうかもしれない。
すると
「ごめん。
修平と帰る約束あるから、今度な!!」
手を顔の前で合わせて、浅井は誘いを断った。
ただ、一緒に帰るだけの約束だけど。
浅井はちゃんと優先してくれるんだ。
そんなところにも、
ふいにキュンとさせられてしまう。

