チュッ
それはすぐに離れ、ひなたはパッとそっぽを向いた。
「こ、これでいいでしょ!!?」
しかしそれは、
軽く唇が触れる程度のひよこちゃんキス。
俺としては、もう少しひなたの熱を感じていたい。
「…よくない。
こんなおこちゃまキスで、
俺が満足できるとでも思ってる?」
ひなたは頬を少し膨らまし
「これが嫌なら、ほかんとこ行ってくれば?」
そう言うんだ。
はぁっと息を吐く。
それの息は白くて、
そういえば寒いなと思う。
「…ひなたも、馬鹿だよね。」
それに反応して、ひなたが俺のことを睨み付ける。
「うるっさいなー…
って、キャッ!!」
ひなたを引き寄せ、
抱き締める。
「はー。あったか。」
ひなたの体温は高く、
人間カイロのようだ。
心地よくて、ぽすっと顔をひなたの肩にのせる。

