学校に行くのには10分くらいかかって、
最終登校時刻が8時10分だから…
考えている間にも時間は過ぎていって、
気づいたときには、もう7時20分を過ぎていた。
慌てて階段をかけ降りると、
そこには呆れ顔のお母さんがいた。
「なんでひなたはいつも階段をかけ降りてくるのかなー…
あんた、いつも上で何やっているわけ??」
…ごもっともですお母様。
「私にもさっぱりでございます…」
私がこう答えると、お母さんはため息をついてキッチンへ戻っていった。
急いで出されたご飯を食べていると、
お母さんが
そういえば…
と何かを言い始めた。
「昨日、
またあのマンションに人が入ったらしいんだけど…」
ふーん
私はこのとき、話を軽く聞きすぎていた。
うちの近くには、
一つ大きなマンションが建っていて、
最近建ったばかりのそれに入ってくる人は少なくなかった。
「それが、同じ学校の男の子なんだって」

