開いていた手をグッと握りしめる。




前を向くと、ひなたと目があった。




…逸らしちゃ、いけない。





俺は口を開く。




そして














「…ひなた


 俺の、彼女になってください。」








震え混じりの声は、届いたか不安で。




急に恥ずかしさが込み上げてきて、

パッとしたを向いたとき。








ガバッ




上からひなたが覆い被さるようにして抱きついてきた。







「こちらこそ!!!

 私の…





 彼氏になってください!!!!!」







そう言ったひなたの目には涙が浮かんでいた。






そして、

それとは反対に、


ひなたは歯を見せて嬉しそうに笑った。