その日の放課後、
俺がひなたの教室に向かおうとしていたとき。
ダダダダダダ
廊下の方で、誰かの走る足音が聞こえてきた。
すると
ガラッ
扉が勢いよく開いた。
そのすぐ後に、聞き覚えのある大きな声が俺を呼んだ。
「修平!!!」
声の聞こえてきた方を辿ると、
それはやはりひなただった。
「今日佐久間君と帰るから!!
バイバイ、また明日!!!」
ひなたはそれだけをいうと、一瞬のうちに廊下へ走っていった。
俺はそれを引き留めるために腕を掴んだ。
佐久間って、
ひなたに告白してきたやつの名前?
「ちょっと待てよ」
「えぇ!!?
私佐久間君待たせてるんだけど」
なにを話すか
それは絶対に、この間の告白の返事だろう。
…もしかして。
「まさか、あいつのこと…」
