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冬が近づいてきて、寒くなってきたある日のこと。
俺はまたひなたとふたりの帰り道を歩いていた。
すると、後ろから視線を感じた。
ひなたは俺のファンだとか言ってるけど、
多分違うだろう。
あの人の目線は、俺ではなくてひなたに向けられたものだったから。
「ちょっと行ってくるわ。」
ひなたに害が及ぶと危ないと思い、
俺は一人でそいつのもとへ向かった。
「おい。
ひなたになんかよう?」
俺がそいつに声をかけると、
そこにいた男子はびくりとして下を向いた。
そして、口元をもごもごと動かしながら
こう言う。
「丸山先輩が、好きなんです…」
…思わずフリーズをした。
動けなくなった。
今まで、ひなたを好きだと言うやつは何度も見かけたけれど。
こうやって直接くるやつはいなかったから。
俺が戸惑ってなにもできないでいると
「私もいれてよー!!」
思いもよらなかった人物…
ひなたが途中乱入してきたのだ。

