翌朝、村外れのベンチで、ローベルトとアンジェリカが倒れているのが見つかりました。彼らの指には、あの金の指輪がはめられ、お互いに手を握りあったまま、こと切れていました。彼らは、永遠の笑みを浮かべたまま、幸せそうに寄り添っていました。泣いていたローベルトの老母は、彼らの様子を見るや、思わず、


「よかったね、ローベルト、アンジェリカ」


とつぶやきました。愛の言葉を介さなくても、それほどまでに、二人は幸福そうでありました。


(了)