絶対零度の鍵



「…ところで、お前のことは何と呼ぼうな?」



「…へ…」



突拍子もないことを訊かれ、間抜けな声がでた。



「へ、ではない。いつまでもお前と呼んでいる訳にはいかんだろう。」



「あ、そうですね…」



確かに。


蓮貴の言う通りだ。


だけど、僕には名前が思い出せない。



どうしろというのだろう。




暫く沈黙が流れる。



そよそよと流れる風と、暖かな陽射しは、時の流れを縫いとめているかのように思えた。





「…星(せい)と呼ぼうか。星のように、降ってきたから。」




やがて、蓮貴がゆっくりと呟いた。