「クミ」 しまった。 僕としたことが。 目を瞑ることで、視覚はシャットアウトできるものの、聴覚はできない。 でもどうかこれがただの悪い夢でありますようにと願うのに。 「クミ。寝たふりしないの」 どうして、あなたは僕を呼ぶのでしょうか。 それもはっきりと、省略形で。 昨晩からの出来事が走馬灯のように、僕の頭を駆け巡る。 途端に、身体中の痛みがやけにリアルに感じ出す。 うん。痛い。痛いはずだよ。 「こら」 いて。いてて。 頬をひっぱられている。 そして、あなたの手はとても冷たいのです。