「私ずっと演技してた」 すすり泣く声が教室に響く。 「朝陽の事が好きで堪らなかった。セフレでも良かった。由紀を好きでも構わないくらい」 朝陽の息遣いが僅かに耳に届く。 「それでもいいって思ってたのに……私いつも不安で。抱かれるたびに必要とされてる気がしたの」 ”陽菜”って呼ぶ声。 髪の中に入る指。 暖かい肌。 全部大好きだった。 「でも私ずっと満たされた事なんてなかった」