ハイカロリーラヴァーズ

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 駅の改札へ急いでいるんだけど、帰り際に仕事を頼まれたから待たせてしまっている。待たせてるのは青司。午後から青司はバイト、あたしは仕事。青司が出ていった予備校にあたしが出勤して。なんか、複雑。

 仙台駅で催されている「京都うまいものフェス」っていうポスターの下で、ふてくされたような顔で立っている青司を見つけた。前にお土産で貰ったことがあったんだけど、阿闍梨餅が食べたいなぁ。

「ごめん! 待たせた」

 声をかけるとこっちを見て、ほっぺたをプクーと膨らませた。なにそれ可愛くすんな。

「遅いよ遅いよ、お、そ、い」

「ごめんって。出がけに仕事頼まれちゃってもう」

「そんなのぶち投げてくれば良いのに」

「そんなことできないでしょ……仕事なんだから」

 だいぶ待ったんだろうな。先に終わって待ってるという連絡を受けていたから。ぶちぶち文句を垂れながらの青司と一緒に、ホームへ向かう。

 今日の予定。一度、青司のアパートへ行き、まだ置いてある細かいものを取ってくる。それから、源也のマンションへ一緒に行く。通帳と印鑑を取りに行く。

「夕飯、なんかあったっけ?」

 どのタイミングで夕飯を食べるか迷うところだ。源也のマンションへ行く前か、帰って来た後か。電車に揺られながら、そこらへんを考える。

「昨日、蕎麦を茹でたんだけど、たくさんやり過ぎて冷蔵庫に入れてきた」

「袋の、全部入れたんじゃないの?」

「その通りだ」

 ああ、それならちょうど良い。今日のお昼は食べてから出勤したからお蕎麦じゃなかったしね。

「忘れ物を取って、帰りにコンビニ寄ってつまみとビール買おうぜ」

「了解。さっさと済ませちゃおう」