「ここはクリーニング入ってまして内覧できます。ええと、お風呂とトイレが新品だそうです。建物は古くないですが、オーナーさんの事情で内装工事入ったと聞いています。お家賃も手頃なので」
「ふーん……あ、駅が近い」
「そうですね」
「あの、ここ見たいです」
「承知致しました。あと他に内覧致しますか?」
プリントアウトした物件をあと2件ピックアップして、女性スタッフが運転する車で内覧へ出かけた。
ここまでは意外とスムーズ。あとは部屋を気に入るかどうか。青司も一緒に見に行きたいって言っていたんだけど、決まったら見せるからとなだめた。
まったく……ちょっと甘えてるなと思う。出会った頃とキャラが変わってないかあの男。まぁ可愛いから良いけど。
思わずニヤケてしまった。嫌だ、だらしない顔。
「到着しました。ここの2階ですね」
外装はブラウンの煉瓦。なんだかちょっと上品そうに見えるアパート。外見は合格かな。問題は中身。高鳴る胸を押さえつつ、階段をのぼる。なんて大袈裟かな。
「103号室です。スリッパどうぞ。ブレーカー上げてきますね」
「ありがとうございます」
おお、綺麗じゃないの。ここ、お風呂場が新品だって言ってた。ええと、ここか。
「ああ、綺麗。新しい匂いがする」
築15年。こんなもんかな。古くないのにお風呂が新品。洗面台もあるし、キッチンも綺麗。2Kならゆったり暮らせる。



