ハイカロリーラヴァーズ


 悲しいとか痛いとかいう感情は無い。頭が真っ白だった。それなのに、今日初めての涙が出てくる。スルスルと、頬を伝う。

 そう、表現するならば、少しほっとしている。終わったんだということに。

 青司が使っている男性用の洗顔フォームを借り、洗顔をする。メイクが落ちるかは別として、顔もすっきりさせたかった。

 シャワーで、痛みも全部落とせれば良いのに。

 お湯がたっぷりと張られた浴槽に体を沈める。大きく深呼吸をした。

 源也。あたしの恋人だった人。

 もっと、好きだって言えば良かったのかもしれない。もっと、愛せば良かったのかもしれない。でももう遅くて、そして戻る想いも無くなっている。

 好きだった。それは本当。愛し合っていたのも真実なのだから。

 いつから道を間違って行ったのかは分からない。そして、青司に出会った。

 狂った愛は、こんな結末しか生まなかったんだ。